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プログラミング

エストニアのプログラミング教育状況

エストニアは人口130万人の北欧の小さな国です。

しかし、国をあげてICT活用を推奨し、さまざまな公共サービスなどがオンラインで処理できることで注目されています。Skypeが生まれた国としても有名です。

エストニアでは、1991年ソ連からの独立回復後に大胆な教育改革が行われました。

世界に先駆けて全学校にパソコンとインターネット環境を整えようと整備し、1996年に発表された「タイガーリープ」と呼ばれるICT教育プログラムによって、プログラミング教育を始めました。

それにより、現在ではエストニアが電子政府(e-Government)として世界をリードするまでになりました。電子居住権のIDカードに登録すれば、選挙の投票も可能になり、会社設立さえもできてしまいます。

日本でも2020年にはプログラミング教育が始まりますが、すでにエストニアからは30年も遅れをとっているのです。

エストニアのプログラミング教育

エストニアでは、7歳~15歳が小中一貫のベーシックスクールで9年間義務教育が行われます。

初等レベル(小学校)が4年間、中等レベル(中学校)が5年間です。その後、高等学校にあたる教育段階では一般の学校と職業訓練系の学校に分かれています。

エストニアの義務教育

初等教育(小学校レベル)

  • 7歳〜10歳

中等教育(中学校レベル)

  • 11歳〜15歳

高等教育(高校レベル

  • 16歳〜18歳

大学教育(大学レベル)

  • 19歳〜(3年か4年)

高校卒業者の69%が進学し、進学者のうち90%は大学,残りは専門学校へ進みます。

エストニアでは他のヨーロッパ諸国とほぼ同等の教育を受けることが可能です。特に語学と理系の授業が多く,レベルも高いです。


また,ほとんどの学生は自国語であるエストニア語以外に2~3の外国語(英語,ランス語,ドイツ語,ロシア語,スウェーデン語など)を勉強します。

学校はアットホームな雰囲気で,教師と生徒や生徒同士のつながりが強く,学校の伝統も尊重されています。学校と家庭の協力関係も強いです。

エストニアでのプログラミング教育は義務化されているわけではありません。

一定の学力の水準の定めは国がしていますが、それを達成する方法については、各学校に自治権が与えられています。

プログラミング学習内容

2012年より「プログラミング教育推進プログラム」がスタートし、各学校では小学校1年生からプログラミングの授業が実施されるようになりました。

その後8年間で、コンピューターサイエンスの授業が全学校の84%にまで入ることになりました。

カリキュラムは学校独自のもので行われています。小学校ではゲームプログラムやロボットプログラムを使い、プログラミングを楽しく学べる工夫をしている学校が多いです。

10〜19歳の子供たちの間では、「ロボット工学」「プログラミング」「モバイルアプリ」「Webデザイン」を学ぶグループが、それぞれ全国で作られているようです。

この「プログラミング教育推進プログラム」により、エストニアの子どもたちにとってパソコンやネットが身近なものとなりました。その結果、ホームページの作成やイーコマースサイトの開発などを行う生徒も出てきたほどです。

また、生徒には16歳で基礎教育が終了する際に、クリエイティブアサインメント(creative assignment)を課します。

これは生徒各自が自由にエッセイを書くもので、生徒のアクティブラーニング、自主的な学ぶ姿勢を促す効果があります。

その結果、経済協力開発機構(OECD)のPISA学力調査テストで、日本と並ぶ高得点が得られています

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プログラミング教育がエストニアに与えた効果

エストニアは、IT教育戦略により「世界最先端の電子国家」と呼ばれるまでに成長しました。

電子化の勢いはとどまるところを知らず、今後もブロックチェーンや人工知能など常に時代の先端テクノロジーを取り入れていくでしょう。

テクノロジー分野における豊富な人材の育成をするエストニアの「教育戦略」は、テクノロジー分野で優位に立ちたいと考える世界各国から注目を浴びています。

またエストニアでは、政府・大学・企業がタッグを組み、IT分野の留学生の獲得へ力を入れています。

エストニアに来た留学生は、就労ビザなしでも企業で働くことができたり、在学時から働き、卒業後もそのままその企業で就職する人も多いようです。

留学生は大学卒業しても半年間はエストニアに滞在することができ、その間に就職先を探すこともできます。

現在、エストニアに留学し、そのまま現地で働く人の割合は約10%ほどです。政府は2020年までにこれを30%にまで引き上げたいと考えているようです。

エストニアはこれからも先端テクノロジーの導入を積極的に進めていく考えです。

先端テクノロジーを学ぶだけでなく、それらを実際に活用したいという人には最適な国ではないでしょうか。

引用  「諸外国における プログラミング教育に関する調査研究」 (文部科学省平成 26 年度・情報教育指導力向上支援事業) 

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/10/programming_syogaikoku_houkokusyo.pdf
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