インターナショナルスクールのメリット・デメリットを把握し、子どもに適切かどうか判断するのは簡単ではありません。インターナショナルスクールには多くのメリットがある一方、許容しなければならないデメリットも存在します。
今回の記事では、インターナショナルスクールの特徴・メリット・デメリット・入学方法・学費などをまとめました。さらに、「よくある質問」「安いインターナショナルスクールの探し方」も解説します。
本記事を読めばインターナショナルスクールへの理解が深まり、子どもにとって最適な教育環境を選択する判断材料になります。グローバルに活躍できる子どもを育てるため、インターナショナルスクールへの入学を検討しましょう。
インターナショナルスクールの特徴とは
インターナショナルスクールは英語を主な授業の言語とし、外国人の子どもを中心に受け入れる教育機関です。しかし、現在では日本人の子どもがインターナショナルスクールに入学するのも珍しくありません。インターナショナルスクールは国際的な教育プログラムを通じて、グローバルな視野を持つ人材の育成を目指しています。
多様な文化背景を持つ生徒が在籍し、異文化理解や国際的なコミュニケーション力の向上に重点を置いています。各校は独自の方針でカリキュラムを編成し、日本の学習指導要領に縛られないのが特徴です。
多くの学校が国際的に認知された教育プログラムを採用し、世界各国の大学への進学を見据えた教育を提供しています。英語力の向上はもちろん、批判的思考力やリーダーシップなどのスキル育成にも注力する点が魅力です。
インターナショナルスクールの特徴的な教育アプローチとして、以下があげられます。
- 少人数制のクラス編成
- 体験を重視した学習方法
- プロジェクトを基盤とした学習スタイル
多くのインターナショナルスクールは無認可校ですが、一部が各種学校として認可を受けている状況です。そのため、日本の義務教育の履行とは見なされず、高校などへの進学に制限が生じる可能性があります。
しかし、国際的な学歴や経験を重視する家庭にとっては、グローバルな教育環境を提供する魅力的な選択肢となっています。
インターナショナルスクールのメリット
インターナショナルスクールのメリットは、以下の3つです。
- 英語環境での教育
- グローバルな視点の養成
- 海外大学への進学が可能
インターナショナルスクールのメリットを理解し、子どもを入学させるかどうか検討しましょう。
英語環境での教育
インターナショナルスクールでは、日常的に英語を使用する環境で自然な英語表現を身につけられます。授業中の質問や発表、友だちとの会話などを通じて英語力が向上します。
英語はコミュニケーションツールだけでなく、思考力や創造性を培う手段としても活用されるのも特徴です。探求学習や協働学習を通じて、英語で考えながら表現する力が養われます。また、多様な文化背景を持つ生徒たちとともに学べば、英語を介した国際的な人脈形成が可能です。
インターナショナルスクールに入学させ、高い英語力で世界に通じる人材に成長可能な教育環境を手に入れましょう。
グローバルな視点の養成
インターナショナルスクールでは、多様な文化背景を持つ生徒たちと学ぶ環境で異文化理解が深まります。また、グローバル人材に必要な批判的思考や自律的思考の育成がインターナショナルスクールでは重視されます。主体的かつ論理的な思考力は、国際的な場面で活躍するために不可欠なスキルです。
くわえて、探求学習や協働学習を通じ、グローバルな課題に取り組む機会が提供されます。そのため、世界規模の問題に対する理解と解決策を考える力が養われます。さらに、自身の文化的背景を大切にしながら、ほかの文化も尊重する姿勢を育むのです。
海外大学への進学が可能
インターナショナルスクールは、海外大学で求められる英語力と学力を自然に身につけられます。
批判的思考力や自律的学習能力の育成に力を入れており、海外大学での学習スタイルに適応しやすくなります。多様な文化背景を持つ生徒たちと学ぶ経験は、異文化理解力と適応力を養えるのが魅力です。
また、海外大学への進学をサポートする専門のカウンセラーやアドバイザーが配置されています。最新の大学情報や入学要件を把握し、効果的な進路指導と出願準備のサポートをしてくれるのが特徴です。
英語での授業や課題になれていれば、言語の壁を感じずに学業に専念できます。また、国際的な視点を持っていれば、グローバルな課題に取り組む大学の授業にも積極的に参加できるでしょう。
海外大学への進学は将来のキャリアに大きな影響を与え、グローバルな就職機会を広げられます。
インターナショナルスクールのデメリット
インターナショナルスクールに子どもを入学させるデメリットは、以下のとおりです。
- 高額な学費とそのほかの費用
- 日本の教育システムとの違い
- 家族全体の英語力が必要
事前にデメリットを把握しておき、許容できるかどうか慎重に検討しましょう。
高額な学費とそのほかの費用
インターナショナルスクールの学費は年間150万円~300万円程度と非常に高額です。公立高校と比較すると3倍~7倍、私立高校と比べても1.5倍~3倍とかなりの費用がかかります。公立・私立の幼稚園から高校までの学費相場を、以下の表にまとめました。
学校種別 | 公立 | 私立 |
幼稚園 | 22万3,647円 | 52万7,916円 |
小学校 | 32万1,281円 | 159万8,691円 |
中学校 | 48万8,397円 | 140万6,433円 |
高等学校(全日制) | 45万7,380円 | 96万9,911円 |
多くの家庭にとって経済的負担となり、インターナショナルスクールへの入学のハードルとなる要因が高額な学費です。とくに複数の子どもがいる家庭にとって、インターナショナルスクールの学費は悩みの種です。
ただし、なかには年間60万円程度と比較的リーズナブルなインターナショナルスクールもあります。経済的な負担が懸念される場合は、安いインターナショナルスクールを探してみましょう。
日本の教育システムとの違い
インターナショナルスクールは一条校ではないため、卒業しても日本の義務教育を修了したと認められません。一条校とは日本の学校教育法第1条に基づいて設置され、文部科学省が認可する正式な教育機関です。そのため、インターナショナルスクールを卒業しても、日本の高校・大学への進学に制限がかかる可能性があります。
なお、インターナショナルスクールと公立校の両方に通うダブルスクールなら、進学の制限を回避できます。ただし、ダブルスクールが可能かどうかは地域の教育委員会や学校によって異なるため、事前に問い合わせて確認しましょう。
また、インターナショナルスクールは独自の理念と教育メソッドに基づいており、日本の学習指導要領と異なる点も懸念されます。インターナショナルスクールでは、日本の文化・歴史や道徳教育が不足するリスクは否定できません。
くわえて、英語が主要言語として使用されるため、日本語での学習機会が限られるのもデメリットです。日本語の読み書きや漢字の習得が遅れ、大学進学や日本社会で生活するうえで支障をきたす恐れがあります。学校では積極的に英語を学び、家庭では日本語でのコミュニケーションを十分にとるなどの対策を検討しましょう。
「グローバル人材に育ってほしい」など子どもの将来像を明確にし、適した教育環境を用意するのが大切です。
家族全体の英語力が必要
インターナショナルスクールでは、学校と家庭とのコミュニケーションが主に英語で行われます。たとえば、以下のような情報が英語で送付されるため、保護者には一定の英語力が必要です。
- 重要なお知らせ
- 週間ニュースレター
- 教師からの連絡事項
- 子どもの活動に関する情報
また、学校行事・保護者会・ワークショップなどへの参加にも英語でのコミュニケーションが求められます。ただし、多くのインターナショナルスクールでは保護者の英語力に配慮し、以下のような対応を行っています。
- 重要な情報は日本語訳で提供
- 翻訳ソフトの利用を推奨
- メール中心で教師とやりとり
家族全体の英語力は子どもの教育や学校との円滑なコミュニケーションにおいて重要ですが、完璧である必要はありません。学校側もさまざまな配慮をしているため、英語力に不安があっても前向きに取り組む姿勢が大切です。
インターナショナルスクールの入学方法
インターナショナルスクールは年間を通じて入学を受け付けていますが、新学期開始時期にあわせて入学するケースが多いです。希望する学校のWebサイトや入学案内を確認し、入学条件や必要書類を把握しましょう。
一般的な入学手続きの流れは、以下のとおりです。
- 入学願書の提出:基本情報・保護者情報・学歴・健康状態の記入と出願料の支払い
- 書類審査:成績証明書・推薦状・健康診断書などを提出
- 入学試験や面接:英語力・基礎学力テストと保護者面接
- 合格後の手続き:入学金や施設設備費の納付と必要書類の提出
人気のインターナショナルスクールでは入学待機リストがあるため、早めの準備と複数の学校への出願が重要です。また、入学前のオリエンテーションや学校見学会に参加し、学校の雰囲気や教育方針を理解しておくのもおすすめです。
あらかじめ入学の流れや必要書類を把握し、スムーズに各種手続きをすませましょう。
インターナショナルスクールの学費はなぜ高い?
インターナショナルスクールの学費が高い理由などを解説します。
- 学費の相場と無償化制度
- 学費が高い理由
- 安いインターナショナルスクールの探し方
学費の相場や安いインターナショナルスクールの探し方を知り、あなたの家庭に最適な選択肢を見つけましょう。
学費の相場と無償化制度
インターナショナルスクールの学費は年間150万円~300万円程度が相場で、授業料以外にもさまざまな費用が必要です。また、入学時の一時金として以下のような費用が求められます。
費用項目 | 費用相場 |
受験料 | 3万円~5万円 |
入学金 | 20万円~50万円 |
施設利用料 | 20万円~50万円 |
とくに、有名校や都心部の学校では学費がさらに高額になる傾向にあるため注意が必要です。なお、支援制度としては、インターナショナルプリスクールに通う場合の幼保無償化制度があります。インターナショナルプリスクールとは、日本の幼稚園に相当するインターナショナルスクールの保育施設です。
2019年にスタートした幼保無償化は、0歳~5歳までの子どもが対象の幼児教育・保育が無料になる制度です。具体的な適用条件や手続きは自治体によって異なるため、利用する前に問い合わせて確認しましょう。
学費が高い理由
インターナショナルスクールは一条校ではなく、国・自治体から補助金や税制面での優遇を受けられないのが学費の高い理由です。
ほかに、質のよい教育を提供するためのさまざまなコストがかかるのも高い学費の要因になります。まず、英語教育・国際カリキュラムの提供には、高度な教育スキルを持つ教員の採用が不可欠です。高度な教育スキルを持つ専門性の高い教員には、相応の給与が必要となります。
また、質の高い教育を維持するためには、最新の教育技術や専門的な設備の整備がかかせません。さらに、国際バカロレアなどの国際的に認可された教育課程を採用する場合、ライセンス取得や認定維持にもコストがかかります。
安いインターナショナルスクールの探し方
地方や郊外にあるインターナショナルスクールは、都心部と比較して学費が安い傾向にあります。また、新設されたインターナショナルスクールも候補となります。生徒数を増やすために比較的安い学費を設定している場合があり、経済的な負担を軽減できる可能性が高いです。
ほかに、オンラインのインターナショナルスクールも検討の余地があります。通学型に比べて運営コストが低いため、学費も安く設定されているケースが多いです。
くわえて、インターナショナルスクールでも、奨学金制度や学費免除制度を利用できる場合があります。安いインターナショナルスクールを上手に探して、経済的な負担を抑えつつグローバルな視野を持つ子どもを育てましょう。
学費がリーズナブルなOWIS大阪・OWISつくばがおすすめ!
インターナショナルスクールであるOWIS大阪校・OWISつくば校は、質の高い国際教育をリーズナブルな価格で提供しています。たとえば、つくば校の小学部では年間135万円と学費が相場と比較して手ごろです。
OWISはプロジェクトベースの学習を通じて、批判的思考・スキル・創造性・革新性・協調性・自立心を養えるのが特徴です。さらに、多文化主義を重視しており、異なる文化への理解と国際的な視野を自然と育めます。
経済的負担の少ないインターナショナルスクールを探しているなら、OWIS大阪・OWISつくばの両校を検討しましょう。
【OWIS大阪】
住所 | 〒544-0022 大阪市生野区巽中3丁目1-39 |
URL | https://owis.org/jp/ja/osaka/ |
電話番号 | 06-6715-6855 |
受付時間 | 月曜日~金曜日 9:00~18:00 |
【OWISつくば】
住所 | 〒300-4354 茨城県つくば市国松1400 |
URL | https://owis.org/jp/ja/tsukuba/ |
電話番号 | 080-7637-6878 |
受付時間 | 月曜日~金曜日 9:00~17:00 |
インターナショナルスクールに関するよくある質問
インターナショナルスクールに関するよくある質問に回答します。
- インターナショナルスクールは誰でも入れる?
- インターナショナルスクールで親に必要とされる年収は?
- インターナショナルスクールに入学すると後悔する?
あらかじめ疑問を解消しておき、あなたの家庭にとって最適なインターナショナルスクールを選びましょう。
インターナショナルスクールは誰でも入れる?
インターナショナルスクールへの入学には、以下の表のようにいくつかの条件があります。
条件項目 | 詳細 |
英語力を重視 | 多くのスクールで英語力が重視され、とくに中学校以上の学年で一定レベルの英語力が求められる |
英語能力試験 | TOEFL JuniorやIELTSなどのスコアを要求するスクールもある |
学力試験・面接 | 英語力だけでなく、基礎的な学力・論理的思考力・コミュニケーション能力も評価される |
国籍・海外在住経験 | 一部のスクールでは国籍や海外在住経験などの条件を設け、外国籍の子どもや帰国子女を優先的に受け入れる場合がある |
インターナショナルスクールの入学には一定の条件があり、誰でも簡単に入れるわけではありません。しかし、子どもの適性や家庭環境にあわせたインターナショナルスクールなら、準備次第で入学の可能性を高められます。
インターナショナルスクールで親に必要とされる年収は?
インターナショナルスクールに子どもを通わせる場合、できれば1,000万円以上の年収が両親には求められます。
インターナショナルスクールの学費は年間150万円~300万円ほどが相場です。くわえて、入学金・施設使用料・教材費・課外活動費・寄付金・修学旅行費用が必要となります。
教育費は年収の15%~20%が適切とされており、学費150万円としても年収1,000万円が必要です。長期的な視点で、経済的な負担を許容できるかどうかを慎重に検討しましょう。
インターナショナルスクールに入学すると後悔する?
インターナショナルスクールへの入学は将来的にプラスとなる可能性が高く、価値のある体験だと考えられます。インターナショナルスクールのメリットは、以下のとおりです。
- 異なる文化を理解し、グローバルな視点で思考できるようになる
- 国際バカロレアなどの国際教育が受けられ、海外の大学へ進学できる可能性が広がる
- グローバル人材として、世界中で活躍できる能力を身につけられる
子どもがどのように育ってほしいのかを慎重に考え、インターナショナルスクールへの入学を検討しましょう。
インターナショナルスクールのメリット・デメリットを理解して入学を検討しよう
インターナショナルスクールは、グローバルな視点と英語力を養う独自の教育環境を提供しています。そのため、将来的に子どもの海外大学への進学も視野に入れているならおすすめの選択肢です。一方、「高額な学費」「日本の教育システムとの違い」「家族全体の英語力が必要」などのデメリットも存在します。
「子どもの将来像」「家庭の経済状況」「教育方針」をじっくり考慮し、メリットとデメリットを踏まえて入学を検討してください。長期的な視点で子どもにとって最適な選択ができるよう、十分な情報収集を行いましょう。