2020年4月、小学校で必修化となったプログラミング学習。
2025年から実施される「情報」の大学入学共通テスト。
日本でも加速し始めた「プログラミング教育」ですが、一足早く始めている海外では日本とどのような意識の違いがあるのでしょうか。
世界の先進国や急速に発展している途上国では、どのようなプログラミング教育が行われているのでしょうか。
日本と比較しながら詳しくみてみましょう。
小学校プログラミング教育の変遷
日本では昔から「情報」という科目はありましたがリテラシー教育のみで、プログラミング教育の歴史はとても浅く、現在でも未完成です。学習の優先度は今もなお5教科が最優先で、まだ定着していません。

多くの小学生がプログラミングに利用している「Scratch」。2006年には既に登場しておりました。
このグラフのみを見れば著しく遅れているとは思えません。対して海外の推移はどうでしょうか。

アメリカと比較すると日本は10年遅れで定着期に突入しました。
イングランドでは2014年にComputing教科の誕生、アメリカは2011年にCSTA2011が登場しました。
※CSTAとは、コンピュータ・サイエンスに関わる教育者たち、また同分野に興味を持つ関係者らが参加する大規模なカンファレンスです。MicrosoftやGoogleも支援しており、現在は日本にも支部があります。
諸外国におけるプログラミング教育
日本に比べ10年先を進んでいる海外のプログラミング教育
各国の状況をより詳しく見てみましょう。
世界の教育スタンダード?イギリス
プログラミング学習である「Computing」は独立科目となっています。初等教育(小学校)では1年生から必修化されています。
以下の問題は小学1年生の宿題に出題されているものです。
iPadで絵を描くことは、紙で絵を描くことと最も異なる点は何ですか?
a) 色の範囲
b) 詳細度(Level of Detail)
c) やり直しボタン
ペイントアプリにおけるレイヤリングとは?
a) すでにペイントされている部分の上にペイントすること 。
b) 絵の同じ部分に2本以上のブラシを使用する。
c) 画像の積み重ねを作る 。
コンピュータで画像を構成するためのドットを何と呼ぶか?
a) ビット .
b) 画素数(pixels)
c) ピクチャードット
1年生でコンピュータの技術用語を知っているの!?
Computingとしての独立科目があるからこそ、小学1年生で既にこれらの情報リテラシーを理解しています。
世界最先端のIT国家 エストニア
Skype発祥の地であるエストニアは、IT教育を強化したことにより、電子政府(e-Government)として世界をリードしています。
2012年よりプログラミング教育プログラムが開始されており、ロボットプログラムやゲームプログラムを用いて興味を持たせる活動をしている学校(初等教育~中等教育前半)が多い様です。中等教育の後半では、Python、Javaなどのプログラミング言語を用いて学ぶ授業が選択科目としてあります。
IT大国 インド
2016年のインドにおけるSTEM分野の学士号を習得した学生は世界2位となる260万人になりました。初等教育のプログラミング教育は2005年に数学の一部に取り入れられました。現在ではICTのカリキュラムとして2013年より初等教育後半から中等教育において、プログラミング教育を含むICT教育が実施されております。
インドではプログラミングはとても大切で、親はスポーツなどの習い事よりプログラミングを優先しています。インドのエンジニアはとても優秀で、米TESLAやGoogle、Appleでも多く活躍しています。
日本はどこまで定着したのか?
プログラミングは算数や理科と同じ、教育科目の1つです。しかし難しいプログラミング教育の定着。
2020年必修後からはや数年経ち、保護者の意識はどのように変化したのでしょうか。
人気の習い事ランキングを見てみましょう。




日本では独立科目とされていないプログラミングは、水泳と同じく習い事でしか補うことができません。また実感しにくいものです。
プログラミング教育の定着期である日本。
昔に比べれば「プログラミング」の習い事も一般化してきました。
英国やアメリカでは定着期から抜け出すために10年必要でした。
日本でも10年後には「プログラミング」が必修科目として設立されていることを期待するしかないでしょう。
なみに… アメリカの習い事ランキング!
1位 水泳
2位 野球
3位 サッカー
4位 バスケットボール
英語圏なので英語の習い事はないですが、日本と似た傾向ですね。
学習系は「習い事」ではない。といった意識が強いのかもしれません。
そこまでプログラミング重要?
プログラミングを学ぶ必要性が高い理由はいくつかあります。
学生のうちからプログラミングを学習すると、論理的思考力が身に付きます。論理的思考力とは、筋道立てて物事を考える力のことです。
プログラミングでは、「どんなコードを書くとどうコンピュータが動くのか」を学び、エラーが発生するたびに「原因は何か」と考えるため、自然に論理的思考力が鍛えられます。
論理的思考力は、普段の生活や身の回りのトラブルにも生かせる力です。どんな仕事に就くにしても、必要になるでしょう。
IT業界の発展により学習のハードルは下がっているものの、あくまでもプログラミングは専門的な技術です。
プログラミングスキルを持っていれば、手に職をつけることができます。さらに、プログラミングスキルがあれば世界で働くことも可能です。
2025年の共通テストはどうなる?
情報Ⅰの内容から出題予定の大学入学共通テスト。
既に問題が試作されております。少し内容をみてみましょう。
情報リテラシーの問題が多く出題されますが、中にはプログラミング的な問題も出題されます
令和7年度大学入学共通テスト 試作問題『情報Ⅰ』 より
情報系の国家資格はたくさんある
情報の分野において全ての方面で日本が遅れているという訳ではありません。国家資格には、たくさんのIT分野の資格が用意されており、中には高校生からチャレンジ出来るものもあります。
それが…「ITパスポート試験 iパス」です。
国家資格なので、取得していると大学入学時に「入試優遇」や「単位認定」そのほか一部の学校では無利子や給付型奨学金を提供している場合があります。
民間資格もたくさんあり、身に着けたスキルを証明しやすい分野でもあります。海外では大手IT各社が実施している資格もたくさんあります。
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